橋下市長の9条論(山添)



大阪市の橋下市長が、9条について話しています。



「憲法9条とは、突き詰めると平和には何も労力がいらない、自ら汗はかかない、そういう趣旨だ」

「平穏な生活を維持しようと思えば不断の努力が必要で、国民自身が相当な汗をかかないといけない。それを憲法9条はすっかり忘れさせる条文だ」

「9条がなかった時代には、皆が家族のため他人のために汗をかき、場合によっては命の危険があっても負担することをやっていた」



いずれも具体性を欠く指摘ですが、「汗をかく」「命の危険」を犯すことを求めているように読めます。



憲法9条は、「人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果であって」(97条)、

「恒久の平和を念願し」「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全を生存を保持しようと決意した」(全文2項)もので、

「国民の不断の努力によって、これを保持しなければならない」(12条)ものです。



9条の下でも、戦争に参加し、荷担しようとする動きは繰り返し続いてきました。

しかし、朝鮮戦争やベトナム戦争、イラク戦争にも直接は参加せず、非核三原則や武器輸出三原則を掲げ、集団的自衛権の行使を否定するという条件を課してきたのは、

ほかならぬ9条とそれを実践していこうとする人たちの「不断の努力」によるものではないでしょうか。

実際には、朝鮮戦争でもベトナム戦争でも、そしてイラク戦争でも、物資やその補給基地として日本が果たしてしまっている役割は大きかったでしょう。

核密約も実在していました。

しかし、9条があるからこそ、表だって軍隊をもち戦争をすることはできなかったのではないでしょうか。



また、侵略戦争の反省の上に立てられた9条の下で、アジア諸国に対する反省の努力をしてこなかったのは、歴代の政権でこそあれ、

国民一人ひとりではないと思います。もちろん、そのような代表者を選んできた責任はありますが。

「平和を崩すことには絶対反対で、9条を変えて戦争ができるようになんて思ってない。9条の価値観が良いか悪いかを、国民の皆さんに判断してほしい」

とも述べたそうですが、一連の発言は、「不断の努力」を求める9条の精神を反映したものとは思えません。


産経ニュース
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