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野田佳彦首相の誕生に寄せて

 2011年8月30日、野田佳彦首相が誕生しました。

 野田氏については、私はあまりよいイメージを持っていませんでした。なぜだろう?、と思い返してみると、野田氏の次の言動に思い至りました。
 2005年のことですが、野田氏は、政府に対する質問趣意書で、「A級戦犯」と呼ばれた人たちは戦争犯罪人ではない。 戦争犯罪人が合祀されていることを理由に内閣総理大臣の靖国神社参拝に反対する論理は破綻している」と主張したことがある、と報道されていることです。

 私は、2001年から2007年まで、小泉純一郎首相(当時)の靖国神社への参拝が憲法違反ではないかと訴える訴訟の弁護団の一員でした。靖国神社は、特定の宗教法人であり、第二次世界大戦までは我が国の戦争遂行の精神的支柱というべき存在でもありました。こうした神社に公人が公然と参拝することは、憲法が禁止する「政教分離の原則」(日本国憲法20条3項)に違反するし、戦争を推進する立場の表明として憲法第9条の平和主義の観点からも好ましからざる事態であると私は考えています(A級戦犯が合祀されているか否かは、政教分離原則に反して憲法違反か否かとあまり関係がないと思うので、この意味では野田氏の論理は私にはよく意味がはかりかねます)。
 野田氏の上記言動には、靖国神社への賛美・政教分離原則への無理解、そして日本国憲法の軽視を感じ、私としては違うのではないか、という感触を持ったのです。

 東日本大震災の被災者、被災地への復興、福島第一原子力発電所の事故を受けての対応を考えるとき、いまほどこの国に暮らす一人一人の命、健康、生活に最大の価値を置く日本国憲法の理念が必要とされているときはないと感じます。
 ところが、事態は逆に動いているようです。仕事で、岩手県の自治体の職員のお話を聞く機会がありました。その方のお話によれば、岩手県知事は、崩壊状態にある県立病院の再建を政策としてうたわず、三陸縦貫道の早期完成というハコモノ行政を提案しているそうです。こうした動きを見るとき、県立病院のほうが先でしょ?行政の考えていることは違うんじゃないの?と思います。

 憲法を軽視するような首相や、知事であっては困るなと、つくづく思います。つまりは、「日本国憲法を生かせ」と私たちが要求し続けなければいけないな、とも思います。

 なお、靖国神社問題については、高橋哲哉(東京大学大学院教授)著「靖国問題」(ちくま新書)が平明でわかりやすいです。オススメです。

  2011年9月8日 弁護士 笹山 尚人


                                   以 上
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